2006年1月26日木曜日

まどろむ前に思う事



寝支度を調え横になり、寝入るまでの僅かな時、あるいは僅かとは呼べない膨大な無駄な時間の中で考える事柄こそがその人間にとって今抱えている最も大きな欲望なのだと考えるに至り、多くの世の人々にとってそれは豊満な裸婦であり、偉丈夫である。




純粋に「早く眠りたい」と思い早く眠れる人にとっては睡眠こそが最たる欲望であり健全であると言えるが、「早く眠りたい」と思いながらも眠れない人は悲惨である。目の前にそれがあるのにも手が届かない、鉄格子の中に置き焼き回され香ばしい匂いを放ち続けるバームクーヘンのようなものだ。

であるとすれば僕はバームクーヘンが食べたいのかといえばそうではなく、そんなものはいらない。何故ならば僕は「バームクーヘンを食べたい」などと思うわけがないし、「早く眠りたい」とも思っていないからだ。

では僕がまどろむ前に何を考えているかというと、「まどろむ前に思う事こそがその人にとって最たる欲望であるというのは1つの真であるが、僕は一体まどろむ前に何を思うのだろう」という事柄であり、僕にはもう欲望が無い。




しかしながら、その欲望の無さをブログにこうして書いているという事はおそらく、今現在の僕にとってブログを書くことこそが最たる欲望なのだ、と考えるとあまりにも、悲しくなったのでもう寝ない。