モリニューは悪くない。



電車の中で3人の女子高生がピーターモリニューについて熱く語っていた。

「ピーターは悪くなくてさー。」「そうそう、ピーターが悪いってわけじゃないんだよね。」「どっちかって言うとあたしらが悪いっていうか」「だよねー、超そう。」「あれはさー、ピーターの才能と、ピーターのやりたい事がずれちゃった、ってだけで。」「そうそう、超そう。」「残念だった、っていうか。」「残念だよ残念ー」「だってさー、たとえばじゃん?リオネルメッシがセルゲイブブカに憧れて高飛び選手を目指してたら超残念じゃん?」「あー、それわかるー、超わかるー。っていうかうけるー」「アハハハハ、まじおもしろいんだけど」「あたしらっていいよねー、才能もやりたい事もなくてー」「だよねー、才能もやりたい事もないのがサイキョーだよねー」「超イイよ、女子高生だしー。」などと、底抜けに明るい乾いた声で歓談していた。

それを、いい足してるなー、とか、その足を下の方から上の方へとゆっくり撫でて行きたいなー、とか、存外に胸があるなー、とか、その胸を後ろからごつんごつんと揉みしだきたいなー、などと夢想しながらチラリチラリとバレないように邪な気持ちで盗み見てたら、女子高生らは突如として話題を変えた。

「樹海行きたいよねー」「うん、樹海行きたい」「あたしも樹海超行きたいんだー」それを聞いた僕は居ても立ってもいられなくなり、「早まるな!いや、どうしてもと言うならば止めまではしないが、それならば、それならばせめてその前にそれぞれ中出しをさせろ!」と大声で叫んだら、辺りの空気が凍り付き、電車に乗っていた客の視線が全て僕へと注がれてしまった。どうしたことかと、よく見てみると、彼女らが行きたいと言っていたのは【樹海】ではなく、【熱海】だった……。

温泉の二文字が浮かんで消えて、頭の中が真っ白になった。「駄目だ、もうおしまいだ。僕は次の駅で逮捕されて拘留されて会社も辞めさせられて、これまで苦労に苦労を重ねて築き上げてきた幸せな生活の全てが失われてまうんだ」と絶望し、「それならいっそのこと、せめてそうなってしまう前にこの女子高生どもを」と覚悟を決めて「うわらああああああああアアアア!!!!」と絶叫しながら両腕を天高く振りかざし、そのままの勢いで3人の女子高生めがけて突進を開始したら夢精して目が覚めた。

書いていて気がついたのだけれど、僕の夢は半分くらいが文字(しかもブログ形式)で構成されてしまっている。浸食されすぎだ。昔はそんなんじゃなかったんだけれどな。確かに今の僕からブログを取ったら何も残らないとは言え。残らないとは言え。