2008年9月16日火曜日

絶対スルタン。



体を壊した。昨日今日でのことではなく、2月の終わりに壊した。体を壊したら体力的にネットサーフィンが出来なくなるので、頭の中でブログを書いて、それを投稿したら寝る、という生活を続けていた。

ブログを書き始めて明確に体を壊したのは3度目のことで、これまでは、そうしている内に良くなった。一月もすれば、何事もなかったかのように4gamerを読んだり、ニヤニヤしながら、後に「つまらないから」という理由で破棄されるブログの下書きを書いたりしていた。

ところが、今回は良くならなかった。4月になっても、5月になっても、一向に良くならなかった。流石にこたえた。草稿フォルダに「体をこわして一番苦しいのは心.txt」というファイルがある。日時は4月2日となっているので、おそらくこの頃が、一番辛かったんだと思う。実際、相当厳しくて、精神的にかなり追い詰められていた。

1日3時間だけ椅子に座ってブログにエントリーを1つだけ投稿し、あとはずっと横になっていた。そうしていれば、よくなるものなのだと信じ込んでいた。それが当たり前だと思っていた。その予測が裏切られたこの時期が、今振り返っても一番苦しかったように思う。眠って、目が覚めて、PCの電源を入れて椅子に座り、ウインドウズのローディングを眺めながら、体調が全く良くなっていない事を確認しては、その度に激しく動揺したのを覚えている。

そんな肉体にも、しばらくすれば慣れた。慣れたところで何かが変わったわけではないけれど、「こういうもんなんだ」と理解した。ここで言う理解とは、心と思考が現実に対応したという話ではなく、ただ単に、自信を完全に失っただけだ。「僕は生きている。これからもそうであろう。」という自信を完全に失っただけだった。

一年後生きている自信、というものを持っていない若者はいない。事実、僕だってそうだった。いないとまでは言わないが、そんなにまでは多くない。一年後は確実に生きている。一年後は確実に生きているのだから、二年後も三年後も、生きている。それは当然の事だった。当たり前すぎて、考えもしなかった。その「当たり前」を完全に失った。

インターネットのアンケートで、「恋人が居て良かったのはどんな時?」という質問の一位が「具合が悪くなった時」だったのを見て、無上のやるせなさを感じたりもした。「具合が悪くなった時」にこそ、僕は孤独で良かったと心から思う。そして、今回もそう思った。他人との接点の無さが本当に有り難かった。会社に行く必要もなければ、学校に行く必要もない。一人で寝ていればいい。しんどいか、しんどくないかは別として、気楽なもんだった。

3日起きて3日寝るような暮らしを抜けて、人並みに椅子に座っていられるようになったのは原子爆弾が落ちた頃だった。終戦記念日には、はっきりとした自信のようなものが芽生えて、もう大丈夫だと思った。そして今書いている内容のエントリーを投稿しようとしたのだけれど、120行ほど書いて、なぜだか止めた。何故止めたのかは覚えていない。書いている内に、疲れて投げたんだと思う。それを今になって書き直している理由もはっきりしない。一ヶ月前に投稿していれば何かが違ったか?いや、なにも。ただエントリーに記載される日付だけが違った、というだけの事。それを今書いている、というのは、涼しくなって過ごしやすくなったから、というだけの話だ。




具合が悪くなると、wikipediaを見る比率が上がる。普段はwikipediaを全否定して馬鹿にしているのに、いざ具合が悪くなると、頼れるものはwikipediaくらいしか無いので、自ずからそういう風になる。だもんで、好きなブログを読んでから3~4時間wikipediaを見て寝るような生活を続けていた。




その中でも一番笑ったのは、「心臓に管を通してノーベル賞」だ。なんか、ドイツかどこかのお医者さんが、脇の下に穴あけて、ガラスの管を心臓に突っ込んで、「脇の下から心臓にガラスの管を突っ込んだら、突っ込めました!」って言ったら、「アホかおまえ何やっとんじゃ!」とか言われて、謹慎処分喰らったらしい。

ところが、しばらくして「あれ?なんか脇の下から心臓にガラスの管を突っ込めるんなら、心臓手術とか出来ちゃうんじゃ?」みたいな空気になって、心臓手術がイノベって、色々と技術革新が起こったらしい。

そして、「あれ、よく考えたら心臓手術が広まったのって、元をたどれば全部あいつが・・・」みたいな空気になって、謹慎だか追放だか失職だかから何十年もの後に、ノーベル賞を貰ったらしい。(今wikipedia見ながら書いているわけじゃないから、全然違うかもしれないけれど、大筋ではあっていると思う。)




僕はこれを読んで、最高に愉快な気分になった。よくわからんけれど。だって、脇の下から心臓(左心室だか)にガラスの管差し込んで、「やったー!心臓にガラスの管差し込めたよー!」とか、僕等からしたら、脳みそ沸いてるとしか思えんやん?でも、それを、「絶対行けるはずや!」みたいな確信の元でやったんじゃん?スーパーハッカーにも程があるじゃん?凄いじゃん。ノーベル賞もんじゃん。これはノーベル賞もんじゃん!

って、まあ僕が今更言わなくたって、ノーベル賞貰ってるわけだけれど、これはノーベル賞もんじゃん?マジで。だって、心臓にガラスの管突っ込んだら、なんか体おかしくなりそうじゃん。常識的に考えてやばそうじゃん。なのに、なんでそれをするか的、医学の進歩にかける情熱の恐ろしさ。こっちはちょっと心臓痛いくらいで一日中うじうじ寝てるってのにマッドすぎる。。同じ人間とは思えない。どんだけドクターなんだよ、的な驚愕によりかなり癒された。救われた。というか、噴いた。




あと、「道に油塗って船を陸路で運んだだけで陥落する難攻不落の要塞」これも笑った。「2万の軍勢を率いて自国から遙かに離れた場所で敵軍と対峙していたのに、8日後には戦わずして滅亡していた名門」くらい笑った。

だって、「難攻不落の大要塞」とか言っておきながら、道に油塗っただけで落ちるんだぜ?全然難攻不落でも何でもないじゃん、的な。しかもよく見たら、過去に3回くらい落城してんの。

「難攻不落の大要塞、ついに陥落。これは歴史的大事件だ!」とか、新聞記事の一面にドゥオーーーン!って出ておきながら、過去に3回落城してんの。ほとんど詐欺。難攻不落でもなんでもない。しかも、その落城の仕方が「道に油塗られたから」ってどんだけアホなんだよ。まぬけすぎるじゃん。

関ヶ原の合戦だったら、「吉川が内応していなければ」とか、「島津が動いていたら」とか、「松尾山を確保出来ていれば」とか、「立花が来ていれば」みたいな感じで、なんか「歴史だなぁ~」みたいなムードがある。「おお大河、おお大河」的な迫力がある。

でも、「道に油を塗られていなかったら」って、なんだよ!ネタかよ!最初から笑かす気満々かよ!的な。




でもね、でもね。よくよく調べてみたら、そんな単純な話じゃないらしいんだよ。それは何かというと、難攻不落の大要塞側は、もの凄い戦艦を持ってたらしい。もう、無敵のド級戦艦、みたいなのを持ってたらしい。見ただけで逃げ出してしまうくらいの超最強戦艦を持ってたらしい。つまり、防衛側は完全無欠の大艦巨砲主義だったってわけ。

「無敵の戦艦部隊をいかにして打ち破るか」が、攻城戦最大の鍵だったらしいんだよ。そして、それまでは、「無敵の戦艦部隊を倒せない」イコール「要塞を落とせない」だったらしいんだよ。

もちろん、この度の戦でも、無敵の戦艦部隊を打ち破れる見込みは全く無かった。海上戦を挑んだら、100%負けるのは目に見えていた。海軍同士の正面衝突をしたら、為す術もなく完敗し、お味方は総崩れになるのは目に見えていた。

そこで出たグッドアイデアが、「道に油を塗って戦艦部隊を迂回する」だったらしいんだよ。つまり、「道に油を塗る」というのは、飛行機が無かった時代における、空軍的戦略だったんだよ!

そう考えると、もう、第二次世界大戦的な空軍優勢戦略が、何百年も前に既に行われていたんだ!しかも戦艦とか無視して対岸から大砲を撃ち込むとか、空軍、というか列車砲、というか。超凄い。超かっこいい。




で、それを指揮したのがスルタン。「するたん」って、響きからして超かわいい。「はいどぉーもぉー、するたんでーす。」的な。もう、僕なんか、生まれ変わるなら絶対するたんを選ぶもん。

しかも、スルタンはただ者じゃあない。なんか、国の一番偉い人らしいんだけれど、「いつ失職してもよいように、サブジョブを身につけておくのがスルタンの伝統」とからしいんだよ。もう、FF11の領域。「スクウェアエニックスよ、今貴様らが居る場所は、我らスルタンが500年前に通過した場所だッ!!!」的な。スルタン超強い。強すぎる。低く見積もっても、びんちょうたんの200倍は強いと思う。絶対強いと思う。

で、そのサブジョブがまた凄い。「菓子職人」とか「庭師」とか。明らかにメインジョブを遂行するにおいて、全く役に立たなさそうなサブジョブなわけ。だってさぁ、メインジョブが「国の絶対権力者」で、サブジョブが「庭師」って、どんなシナジー発生するんだよ。明らかに相乗効果0じゃん。パーティー組んだ味方の人から白い目で見られる事確定じゃん。「わり、おれあしたバイトなんで落ちるわ!」みたいな感じで雪崩式にお開きになるのが見えてるじゃん。なのにサブジョブ断固で庭師。完全なネタビルドじゃん。




効果:
 イベント【妻に話しかけた庭師を打ち首にする】の発生確率-75%。




って、どこで役に立つの?なんの役に立つの?効果の文章読めば読むほど使えねえ感満載じゃん。ピンポイントガラシャじゃん。そんな役に立たないビルドやりたいなら、一人勝手にソロでやってて欲しい。オフラインでやってて欲しい。ところが実際は10万の軍勢率いて戦争で勝利したりしてんの。本気のビルドなら、どんだけ強いんだよ?スルタンのパワーは底なしである、くらいの勢いじゃん。そんなこんなで、僕は生まれ変わるなら絶対スルタンがいいと思った。サブジョブはもちろん、天才カリスマアルファブロガーで。










「ちょと、大臣、大臣。」


   「なんでございましょう。」


「おまえさー、あれさー、サブジョブ何?」


   「は?」


「俺はー、天才カリスマアルファブロガーだけど。おまえ何?」


   「ございません、が。」


「え、なに?おまえサブジョブ無しなの?」


   「はい。」


「じゃあさー、じゃあさー、大臣首になったらどうすんの?」


   「そうならないように、全力を尽くす所存で……」


「えー、じゃあさー、おまえ首(笑)」


   「・・・。」


「はいバイバーイ(笑)」


   「・・・・・・。」


「くぷぷぷぷ(笑)」











やべえ、超楽しい……。スルタン最高。絶対スルタン。