2008年10月20日月曜日

自己責任論は思い上がりである。



「自らのせいだ」と考える事は、思い上がりである。うぬぼれである。人間世界は複雑怪奇に絡み合っているからして、誰かのせいでどうかなる、などという事はまず存在しない。大勢によって成された事柄を、自らの手柄であるなどと考えるのは、思い上がり以外の何物でもない。その値がネガティブであろうと、ポジティブであろうと、同じ事だ。プラスマイナスに関わらず、余所様のものは、世のものである。決して誰か一人のものではない。それを、「自らのせいだ」などと考えるのは誇大妄想、自惚れである。

つまり「自らのせいだ」という考えは間違いである。間違いであるばかりではなく、明らかな自惚れであり、誇大妄想であり、即ちイコール害悪である。あなたを表す姓名が、ジョージやブッシュで無い限り、自己責任論は文字通り、掛け値なしの思い上がりである。全く間違った考えである。「君の想像とは違い、君なんてのは取るに足らない小さなものだ」というのが自己責任論者に対する最も正しい回答である。

無論、だからと言って、全く責任が無いというわけではない。世に憚る自己責任論者らが想像しているように、全てが当人の責任なわけではないが、幾らかの責任が存在している事は、事実である。疑いようのない事実である。

それを「自分のせいだ」などと思い上がってしまわずに、自らが何から逃避し、何をむさぼり、何を踏み躙り、何を裏切ってきたのかを真摯に、そして正確に理解しようと努め、それから逃げることなくきちんと受け止める事こそが、あるべき正しい姿なのである。