全長百キロメートルの長良川のただ2ミリメートルだけを差し、これが長良川であると言うはかなりの無理がある。僕の人生もまた同じように、ただこの2分を取り出して、これが長良川であると言うにはかなりの無理がある。人生を大切にして生きたいと思うのは山々であるけれど、積み重なった今日までの日々は、あきらめと罪悪感だけを残して去った。2009年の19日を生きるに値しない僕に差し出されたこの一日を、笑顔で喜ぶ食欲はない。自分の人生を大切に出来ない。もはや手遅れである。それならば、他の何かを大切にするしかあるまい。他の何かを。一体何を。