2010年5月7日金曜日

真性引き篭もり : 居心地の悪さ。

たとえば、伝説の空飛ぶアンデッド。
フレデリック"MaDFroG"ヨハンソン。

形勢不利の試合中に、突然PCが謎のハングアップ。
すったもんだの末に、再試合リスタート。
MaDFroGはその再試合に勝利。




あるいは、歩く4K.Grubby。
マヌエル"Grubby"シュクイゼン。

形勢有利の試合中に、突然PCの電源が落ちる。
すったもんだの末に、再試合リスタート。
Grubbyはその再試合に敗北。
WCGから姿を消す。




他だと、4コリアンの一角キムドング。

大会中のリプレイ閲覧禁止のルールに違反した選手に敗北。
WCGから姿を消し、そのまま徴兵引退。







同じくらい、居心地が悪かった。

一言で言うと、「ラグでぐだぐだになって大逆転負け」なんだけど・・・。
この居心地の悪さの原因はそれだけじゃない。







実は、この試合前に、両チームとも空中分解していた。

王者たるdDreamは、敗北により仲間割れし、デンマーク勢が2名離脱。
チームメンバーが5人を割れ込みプレイ不可能という非常事態に陥り、
急遽臨時の助っ人として2名を加えて挑む事に。


挑戦者であるニルヴァーナ インターナショナルは、時差を理由に分裂。
中心メンバーであるKuroKyと、puppeyが離脱するという事態。
しかも、「解散原因は時差なんかじゃない」と、とてもじゃないけど見てられないような醜い非難合戦が始ってしまう。「4人が残留したんだから出場権利はこちらにある」と主張する残留組に対して、「誰の力で勝ってきたと思ってるんだ」的な怒りを露わにするpuppey。

結局、kurokyとpuppeyが求めていた権利獲得対抗戦は行われず、USA組(残留組)が新メンバーと共にプレイオフに出ると思われていた矢先、突然「今回のプレイオフに限り、元のチームで戦う」との発表が成される。








残留組
[USA]フィアー
[USA]デーモン
[USA]メリーニ


出奔組
[ドイツ]kuroky
[エリトニア]puppey


人数の足りなくなった両チームが選手補強先に選んだのは、ロシア最強チーム、TRだった。全員が純ロシア人というTRの中核を成したAzenは残留組に合流し、同じくTRの中核を成したpgg(PleaseGoGame)は出奔組に合流。なんと、ロシア最強チームは、ニルヴァーナインターナショナルの御家騒動の余波を受けて、とろけて無くなってしまったのである。しかもそれは、TRが純露路線を放棄して、最強の助っ人をスウェーデンから招き(パジャキャット)、これで世界を目指します、と宣言していた矢先の出来事だった。




これだけでも既にかなり居心地が悪い試合だったんだけれど、気持ちよく観戦できない理由はまだあった。それは、人数不足のdDreamが招いた助っ人にある。dDreamが招いた助っ人は、なんと、ロシアが誇るソビエト最強のBAKAプレイヤー、Azenだったのである。





つまり、この試合。

「ニルヴァーナ.intに加入したニルヴァーナの新メンバーであるAzenが」
「dDreamの助っ人としてニルヴァーナに立ち向かい」

「ニルヴァーナ.int残留組と喧喧囂囂泥仕合を繰り広げた出奔組が」
「ニルヴァーナ.intと、このプレイオフ限定で仲直りしてdDreamと戦う」

という、楽しもうにも楽しみようがない誰が勝ってもスカっとしない試合だったのである。





おまけに、僕のお気に入りプレイヤーであるAngelはdDreamを離脱・・・。
ついでに、将来を楽しみにしていたロシア代表TRは余波を受け消滅・・・・。

笑顔でのほほんと楽しめる要素など、全く無かったのである。
しかも結果がまた酷い。




1ゲーム目は、dDreamが圧倒的不利な状況を見事にひっくり返しての大逆転勝利。ここまではゲーム内容の素晴らしさもあって、一応は楽しめたんだけれど、問題は2ゲーム目。

dDreamの臨時助っ人であるAzenがラグ死。
完璧に近い情勢だったのに、そこから逆転負け。
しかも、3ゲーム目はdDreamの完敗で、ニルヴァーナ.intが2-1で勝ち上がり。





しかも、セーブ&ロードでリスタートを提案するも、ホストがbotだという謎すぎる理由を根拠に拒否されるわ、おまけにAzenは「DOSアタックされてるとしか思えない」とか発言するわで、本当に居心地が悪かった。おまけに、試合後も「(既にニルヴァーナのメンバーである)Azenは内通していたんじゃないか、よく見れば1ゲーム目もあやしい」などと根も葉もない噂も立つ始末で、とにかく試合前、試合中、試合後通じて、果てしなく居心地が悪かった。せめてゲーム内容さえ綺麗に決着が付いていれば良かったんだけれど・・・。





ただ1つ救いがあるとすれば、F4Fのプレイオフはノックアウト形式ではなく、ダブルイルミネーション形式だって事。つまり、dDreamにとっては(ウイナーズで2-0で勝っているMyMに勝ちさえすれば)リベンジの機会がすぐに訪れるわけで、その点だけは一応良かったな、と思う。




それにしても、見ていてどうしても気になってしまったのは、ヨーロッパの戦術的/戦略的甘さ。いくら凄いプレイヤーが集まったとはいえ、これだけ解散だ空中分解だ助っ人だとドロドロと再編成を繰り返していると、チームとして成熟する暇なんてあるはずもなく、中国3強+2+3の8チームがメンバー的に完成し、さらに強くなる方向での再編しか行われていないアジアと比較すると、甘さばかりが目についてしう。もはや、隠しようのないくらいの差が付いてしまっている。果たしてESWCまでに、どうにかなるんだろうかと不安になってしまう。

誰も不幸にならない形での欧州再編を望むけれど、そんなうまい話があろうはずもなく、LodaとKurokyというアジアと比較しても決して見劣りしない2人のクラックは、無残Parisに散りそうな予感。この再編成によるチーム力インフレ時代において、ドゥッキーがプレイヤーとしてチームに居続ける限りは、Lodaの黄金時代は二度と訪れないだろうし、KuroKyが集めた新メンバーも、アジアに勝つにはだいぶ足りない。せめてAzenのラグ死さえなければ、試合は試合と割り切ってゲーム内容を楽しめたんだけれど、本当に居心地が悪かった。まあ、こんな日もあるか。