真性引き篭もり : ESWC一次リーグのリプレイ3つ。

DTS vs NV.USA

NV.USAは、2nd pickと3rd pickで持ち時間を全て使い、悩みに悩んだ挙げ句選択したのがTAとSGというdaggerヒーロー。TAをなんの実績もないkorokに振ってsolo midに配置し、ファーストピックで取ったnecを、ネクロマンサーに定評のあるフェアーではなく、AZENに振り、フェアーはよりピーキーなSGでプレイ。

最初にAZENがmidに行こうとしていたあたり、AZENすらも飲み込めていないフェアーの作戦は首の皮一枚で見事にハマり、korokがdendiのpugnaを向こうに回し、solo mid崩壊をぎりぎり、本当にぎりぎりのところで凌ぎきって序盤をなんとかごまかすと、それまでチームワークのチの字も無くソロプレイに勤しんでいたAZENが突然空から降ってきて味方全員を救済し、勝負ありかと思える程の差が付く。しかし、次にこのゲームで見られたのは、王LOHの王たる所以。最終的にはフル装備25-5に達するSniperを丁寧すぎるmicroで操りNV.USAに勝たせない。王 Light Of Heavenは強かった。

けれども、DTSはartStyleとdreadが誤算。NV.USAの後衛プレイヤーであるpuppeyとdeamonもミスを犯してはいたものの、それらは自死に繋がるタイプのもの。dreadのミスはそれらとは違い、戦局を決める致命的なシーンで生じたために、DTSは相当のものを失ってしまった。それ以上に痛かったのはartStyleに割り振られたアルケミスト。

あのアートスタイルが、ゲームから完全に浮いてしまう駄目pick。重要な大会で、今一番旬なヒーローを練習してきたのだ、という事は理解出来るけれど、いくらartStyleと言えどもこの大舞台でいきなり結果を残せるような甘い相手ではなかった。これまでDTSに散々な目に遭わされているAZENの、あまりにも消極的すぎるpingの打ち方も見所。AZENの小心すぎるpingの打ち方を見ていると、ソビエト2強時代の終焉以降、DTSの面々にどれだけ煮え湯を飲まされてきたかがよくわかる。USAと合流してこの大舞台でDTSに完勝。リプレイシーンへの貢献度からすれば、AZENはソビエトでも一二を争うおもしろプレイヤーなので、ここに来ての成功はとてもめでたい。フェアーはやることなすこと全てが当たった。

AZENに間違ったヒーローを振らない限り、そしてAZENが間違わない限り、このチームは行けるかも。ニルヴァーナ.USAは、一次リーグ全てのゲームでAZENにネクロマンサーを割り振っている。AZENは才能はあるものの、気分屋でありムラがあり、使い勝手が悪い最強のBAKAプレイヤー。それならばAZENを自由にさせてAZENの出来に勝敗が左右されるゲームをするよりは、皆でAZENを抱いて進もうという考えのようだ。「気まぐれで動き回ったAZENが大当たりして大勝利」というのを目指すよりもよい考えだと思う。さすがにネクロマンサーを割り振られては、自由奔放な最強BAKAプレイヤーといういつものAZENの役割ではなく、チームの中央に位置する総大将としての役割を演じざるを得ない。AZENと言えばmorp、morpと言えばAZENというくらいのプレイヤーなんだけれど、morpをpickしたラウンドでもAZENはnecでプレイしていた。(それでも度々マップから消えて自分の世界へ行ってしまうAZENさんにはどっきどきのわっくわくなのだ。)





OK vs dDream(LOST)

KuroKyとLodaという欧州の鬼と悪魔がグループリーグで相見えた一戦。
pickで時間を使いきり、悩みに悩んだのはKuroKy擁するOK。

OKのBANは、アンチdDreamに特化したBAN。
ミザリー/Lodaにstromを渡さない。
パジャキャットにWRを渡さない
Loda/パジャキャットにdbを渡さない。
このBANが大当たりだった。完璧なBANとpick。

ゲームはOKが5人でroshanをチェックしに行くという、ガチの1本先取ならではのスタートから、KuroKyを横に振ってloaでお守りをし、dsとviperがsoloをして、vsが走り回る展開。そのスタートから得られた物はLodaのトリプルキルと、お守り役をぴったり付かせてなお、お守り役と二人で死に続けるKuroKyというOKにとっては悪夢のような現実。けれども、後衛に回ったsyndereNが全ての帳尻を合わせる大活躍で、9-9、10-10、11-11とスコアで並び続ける好ゲーム。KuroKyという未だ体験したことのないオーパーツをチームに抱えてしまい、本当にやれるのかどうかプレイヤー自身も不安に思っている様子が手に取るようにわかる緊張感漂うゲーム。

csだけ見れば、ツイステッドのアルケミストが序盤で150と群を抜いており、「アルケミストがradを買って勝利」という展開も見えてきたところでOKが猛攻開始。この攻めが5分遅れていればゲームの行方はわからなかったけれど、ぎりぎりのタイミングで突如として大きく動いたためにdDreamは一気に崩れる。vsがswapして瀕死に陥るも1人殺し、necとloaが合計4つのスキルで支援、回復しvsを延命。数的有利を作った後は5人揃った集団戦向きのヒーローにより、1人廃除してsiege、1人廃除してsiegeの繰り返し。KuroKyのfarmは全然足りていなかったけれど、それを補うチームワークとKuroKyの安定して気持ち悪いmicroでmidを攻めきりraxを割って勝負有り。

ツイステッドのアルケミストは、ゲームから浮きに浮いていたせいで、最初から最後までただのsolo play。しかも肝心な所でradを持てていないという致命的な状況で、為す術もなく敗れ去った。3 carry 対 3 carryといった展開だったけれど、「作戦」という点で天と地ほどの差があった。元祖SGtyの3carryが「なんの為の3 carryか?」というと、正にこの時間に仕掛ける為の3 carryであり、OKはpickこそSGtyのそれとは全く違えど、そのエッセンスを見事に消化していた。完璧なpick。完璧な作戦。完璧な練習精度。LOSTはただ得意ヒーローを各プレイヤーに割り振り、今はやりのアルケミストを使ってみたというだけの、見所のないチームだった。

そして何より悲惨だったのは、ドゥッキーの実力不足。もはや、目も当てられないと言ってもよいくらいの惨状。OKの5人目も危なっかしかったけれど、そこは言ってもOKの元前衛。5v5のmicroは何故か見違えるようにキレキレで、決して素晴らしいプレイヤーではないのにミスらしいミスもなく良い立ち回り。pushでの立ち回りはチームリーダーの面目躍如。もう、dDreamはどうしようもないと思う。完全に詰んだ。ドゥッキーを抱えて、DTS、ys(aeon.sg)、EHomeという悪夢のようなグループを突破するのは不可能に近い。KuroKyは、普通にKuroKyだった。良い所もなく、悪い所もないただのクラック。このゲームはKuroKyで取ったのではなく、練習と作戦の詰め具合と後衛のsyndereNで取った感じ。OKは素晴らしかった。LOSTは無策。

ESWC開幕前に注目ヒーローにあげていたアルケミストを使ってきたdDreamとDTSは、アルケミストと共に敗れて二次予選で死のグループに落ちてしまった。欧州のプレイヤーがいきなりこの大舞台でアルケミストを使うのは難しかったと思う。アルケを使って勝つならば、Lodaクラスのプレイヤーに練習をさせて割り振らないと難しい。アジアでも、そのクラスのプレイヤーが使っている。DTSはアルケミストじゃなければ勝てていた可能性があっただけに、本当にもったいない。




ブルガリア vs ys(aeon)

ここまで2敗を喫して一次リーグ敗退が決定しているブルガリアが、ディフェンディングチャンピオンのysに挑んだ一戦。このゲームでブルガリアが選択した戦術は、驚きの4人1レーン。3つのレーンに人を振る事なく、1つのレーンを4人で攻めて、残りの2レーンをアルケミストにファームさせるというおもしろ背水の陣。「1つのレーンを5人で押す」というこれまで存在していた作戦に、今はやりのアルケミストを織り込んだ、おもしろpush大作戦も、残り2レーンをファームさせて中盤以降の軸になるはずだったアルケミストが死にに死んでお通夜ムード。

しかし。

一本調子に押しまくった残りの4人が、15分で6つのタワーを見事に割って、敵本陣を丸裸に。そこへファーム出来なかったために、全てを諦め割り切って、低級装備で完全武装した、お鍋のフタとフライパンといった装いのアルケミストも加わりpush、push、そしてpush。全滅。全滅。二度までも押し返されてゲームはysに傾くも、tideのultのcdより早く、次の一矢を差し込んで遂にmid陥落。これで勝負あり。続けてbtmも落としきり、ysは何も出来ずにブルガリアに負け。見る者誰もが驚いた、びっくりの好リプレイ。これぞガチ。ブルガリアは、ディフェンディングチャンピオンを打ち破り、世界にブルガリアありと知らしめる事が出来た。これで第四シードのカザフスタンに負けていなければ、ys(aeon)かMYMが一次リーグで消えているところだったのに。




オンラインの大会とは各チーム気合いの入り方が違い、良いリプレイは抜群に面白い。まだ一次リーグなのに、どのチームもオンラインのグランドファイナル5本目くらいに切羽詰まったプレイをしている。たかが一次リーグのリプレイで一喜一憂したくはないけれど、NV.USAはもしかしたら有るかもしれない。一応、つい最近でもオンラインでNV.マレーシアに勝っている(もちろん、delayありまくりなので参考にしかならないけれど)。今日はいよいよ二次リーグ。