2011年10月21日金曜日

ESWC出場チームレビュー。

突如として開催種目からDOTA allstarsが消失を遂げたESWCの出場チームレビュー。




EHOME Esports
  RCC / 357 / QQQ (C)
  Dai / X!!
  NUZ / Lanm / PLT / 国士无双
  ARS / Fabregas / 920 / 完美猫
  PCT / Perfect_Cat / 法布雷加斯


820はリタイア。
どのポジションでも戦える万能carryプレイヤーとして常に中国最強の座を伺い続けた実力と、シーンが最も盛り上がった時期に欧州勢を木端微塵に粉砕したインパクトから、DOTA allstrasシーンの歴史上最高のプレイヤーとも讃えられる820は遂に引退。

820が最も輝いていたのは明らかにレベルに差がある欧州勢との戦いではなく、zsmjという中国が生んだ"あたまおかしい系carry プレイヤー"に全ての栄光を奪われた直後に後衛に下がり、遂にはその後衛力でzsmjの時代を打ち砕いて見せた完璧なるモーメント。常々「そろそろ引退する、だが撤回してもうちょっとだけ頑張る!」と言い続けていたので、びっくりする出来事ではないけれど、最高のチームリーダーであり最高のプレイヤーであり最高のpickerであった820の引退は残念。

今のメンバーはRCC(357)とNUZ(国士无双)は強いという事以外知らないので何も言えません。ここ半年ほどDOTA allstarsシーンを追えていなかったので、知らないチームになってしまったけれど、EHomeが集めたプレイヤーなんだから全員上手いんだろう、という事くらいしか言えません。先日のプレ大会でも決勝まで行ってたのでそれなりには強いチームだろう、という事で一応大本命。




NaVi(Natus Vincere)
  Puppey
  XBOCT
  Dendi
  LightOfHeaven
  Smile

ウクライナのチームが優勝」とか書かれてるのを見て軽くイラっと来た事で有名な、ご存じNaVi。キャプテンのpuppeyはエストニア人、LightOfHeaven、Smile、art-styleの3名はロシア人。言うまでもなく、NaViはウクライナなどではなくDOTA allstarsシーンに渾然と輝くソビエトの系譜。スマイルもpuppeyも世界中彷徨ったけれど結局はソビエトに戻り、「ソビエトの時代」を彷彿とさせる完璧な5人が再び揃った。

このチームの鍵を握るのはDendiではなくLoHの出来だと思う。先日のdota2でのリプレイを見た感じ、NaViは「戦術はDendi」という感じでDendiを消耗させないように大切に大切に使ってくる。問題は、2番手(というよりも一番手)を担うプレイヤーそれにしっかり応じれるだけのプレイングを見せられるかどうか。今のdota2はpick&ban的に明らかに数が足りておらず相当な糞ゲーなので、「この人にこれを使わせると危ない」というヒーローを多く持ち、「素直に得意なヒーロー使うよ」というタイプのプレイヤーを多く抱えるNaViはpick&banでは大きな不利を受けないだろう。キープレイヤーは王LoHで、キーヒーローはstorm spiritとAM。




Moscow Five
  PGG
  Dread
  NS
  God
  vigoss

血みどろビゴスがここで復活。
pggに請われて遂に復活。

もう1つのソビエト。DreadとNSは昨年はdendiと共に出ていたけれど、今年はpggの元へ。そのpggが用意した残りの2人は、なんとvigossとAdmiration。ソビエト黄金時代の最強プレイヤーを2人加え、名前の持つ重さだけなら出場チーム中一番というメンバーを揃えてしまった。もちろん、pggもただのチームリーダーではなく、ロシアの820と言われるくらいの前も中も後ろもこなせる賢い系万能プレイヤー。

vigossとGod(Admiration)があまりにも未知数だが、今年のESWCはDOTA allstarsではなく未完成のよくわからないゲームを利用して行われるのでブランクは致命的な不利を招かないだろう。先日のプレdota2大会の面子と比較すると、smileとSantaが抜けてpggとvigossが加わった形。pggは明らかにsmileより上、vigossは明らかにSantaより上なので明らかに強くなっている。3強の一角と言っても良い強さはあると思う。上手い人はきちんと5人揃った。問題は勝てるかどうかだけ。キープレイヤーはチームリーダーのpgg。生粋のcarryプレイヤーが多すぎるチームできちんとまとめ上げられるかどうか。




Monkey Business
  miGGel
  AngeL
  Ryze
  Link
  Calculus

毎度お馴染みmiGGelとAngeLの2manチーム。5人のプレイヤーが必要な今のシーンにおいて2人しかいないチームが勝利を手にするのは相当難しい。miGGelとAngeLの腕は確かだし、AngeLはミニマップを見る事にかけては欧州屈指の才能なんだけれど、このメンバーでは厳しい。AngeLがいくら上手くても、その上手さが勝利に結びつくまでに潰されて終わるだろう。ここまでメンバーの実力に差があると、DOTA allstarsだろうとdota2だろうと無理は無理、という感じがする。

AngeLは凄く好きなプレイヤーで、僕がDOTA allstarsをプレイする際のロールモデルの1人なんだけれど、今回は流石に乗れない。もう少し戦えるメンバーならAngeLに乗るんだけれど、明らかに勝ち目どころか勝ち気すら無いのではないかと思えるチームに乗るのはきつい。



Orange eSports
  Mushi
  WinteR
  XtincT
  Nicxh
  Clanton

DOTA allstars最弱のヒーローであるTAで最強のインパクトを残したMushiのチーム。マレーシアはトッププレイヤーの層こそしっかりしているものの、シーンの激化に伴い国際大会での地位は低下し続けており、今回もアウェイだし相当しんどくなると思う。アジアからはこの1チームのみ。





昨年度と比べると話にならないくらいがっかりで、レビューを書いて居ても切ないくらいにテンションが上がらないのだけれど、プレ大会よりも面子が強くなったNaViからEHomeが中国の中国たる所以を見せつけてDOTA allstarsのど真ん中を取り戻せるかどうか、という大きな見所はあるようでありません。そもそもDOTA allstarsがありません。僕が乗るのは当然vigoss擁するモスカウ5。順位予想はEHome、Moscow5、NaVi。nemukeさんとGrubbyも出るらしいです。