dota allstarsに「carry」というタイプが存在していて、それを僕は航空母艦的な意味、即ち「Aircraft carrier」的な意味だと思ってた。航空機を搭載しなければ弱い航空母艦と同じで、アイテムを搭載しなければ弱く、航空機を搭載した航空母艦と同じで、アイテムをたっぷり積むと最強。そういう意味での"carry"だと思っていた。けれども、wikipediaなどによると、そうではないらしい。勝利を"運ぶ"からcarryらしいのだ。おかしな話である。
だって、勝利を運ぶからcarryとか言いだしたら、ほぼ全てのヒーローがcarryになってしまうではないか。たとえば3-1-1を乗り越えたEHomeに勝利を運んだのは明らかに820というプレイヤーであり、彼の使うヒーローはlion、cm、vsといった所だったけれど、それらのヒーローを"carry"と呼ぶ人は世界中どこにも存在しないだろう。他にも、「最初のソビエト時代」の立役者だったpuppyもdryadやenigmaを使って「勝利を運んで」いたけれど、これもcarryではない。ミゲルアンゲルを見ても勝利を運んでいたのは前衛で"いわゆるcarry"を使ったアンゲルではなく、後衛に回ったミゲルだったけれどこれも同じようにcarryではない。血みどろvigossにしたって明らかに勝利を運んでは居たけれど、彼のシンボルヒーローはqopであり、これも「qopはcarryです。」と書くとかなり語弊のある類のキャラクターだ。「勝利を運ぶからcarry」なんて事をキャラクターに対して言いだしたら、おかしな事になってしまうのだ。
現代のdotaにおいて勝利を運ぶのは、キャラではなくプレイヤーなのだ。一般のレベルでも、プロのレベルでも、それは変わらない。相対的に上手い人は勝利を運べるし、相対的に上手くない人が使う「所謂carry」は勝利を運ぶキャラクターではなく、ただのDPSでしかない。
もちろん、旧来のdota allstarsで「勝利を運ぶ」というタイプのキャラクターが存在した事は否定しない。けれどもそれが成り立っていたのは、1クリックで4000dmgといった、今ではあり得ないスキルが複数存在していた糞バランスの糞ゲームだったからであり、普通のゲームに成り上がって以降のdota allstarsでは、「勝利を運ぶからcarry」なんて類型は存在しないに等しい。精々強キャラ、弱キャラ、といった程度の違いでしかない。
dota allstarsには10000gold分のアイテムを買ってもそれ相応にしか強くならないヒーローが存在する一方で、同じくらい稼げれば劇的に強くなるヒーローが存在する。その違いを指して「carryか、carryで無いか」という意味だとばかり思っていたし、航空母艦的な意味での"carry"という言葉には納得していた。
それが突然「勝利を運ぶからcarryです。」なんて事を言われても、腑に落ちない。居心地が悪い。第一、「heavy carry」とか「light carry」いう用語もおかしくなるではないか。重い試合を運ぶから「heavy carry」で軽い試合なら運べるから「light carry」なのだろうか。英語のことはよくわからない。
それに、だとすれば「アイテムを搭載すれば劇的に強くなる」というヒーローをなんと呼べばいいんだろう。いや、その心配は不用か。何故ならば世の人々は、"アイテムを搭載しなければ弱いけれど、アイテムを搭載すれば劇的に強くなるキャラ"を指して「carry」と呼んでいるわけだから。。。。納得出来ない。本当に合点がいかない