意識朦朧力。

ポジティブな力が身に宿ると、心が乱れて何も出来なくなる。気力、体力、活力、全てが充実すると、心が乱れに乱れて、一切の事が行えなくなる。そして自分を責める。こんなにも元気な貴重な時間を心の乱れで無駄にしたおまえの一日の愚かさよと、自らに口汚く罵られる。か弱い心はしなびれ折れる。自信を喪失し、尊厳は失われる。高く志した何かが気高ければ気高いほどに、自らは叩きのめされる。すべては悪化の一途を辿る。その元凶は元気さである。健気さであり、活力である。何かをしようという健気で賢明な心の動きの風と桶により、一切の事が出来なくなるのである。

では僕がもはやこの人生において一切の事が出来ないかというと、決してそんなことはない。気力も、体力も、活力も失われ、向上心も夢も希望も跡形もなく消え去った意識朦朧の朦朧の果てに、全ての物事が理解出来なくなり、なに一つ考える事の出来ない所にまで前後不覚に陥れば、僕はまるで気力、体力、活力、全てが充実し一心不乱にバスコダガマへと突き進む勇猛果敢な帆船のように先を、先へと進むことが出来る。全ての物事を成し遂げる事が出来る。たとえそれが幻だとしても、朦朧とする意識はそれすらも理解出来ず幻の先、後悔も恐怖も打算も忘れ、決して挫けることなど無しに、死んだ心の屍の上を骨に跨る血と肉で丑三つ時に突き進むのだ。前後不覚だけが我が剣、意識朦朧の思し召し。