2013年3月9日土曜日
今夜歴史が動かない。
NaVi以外は全部アジア。
そして、勝つのは中国。dota allstarsは中国が勝つもの。
本物の中国から天下を奪うのは不可能。三日天下すらそれは無理。
ところが、LGD.intは結成からここまで7勝1敗
今現在上に居るのはiGだけ、という恐ろしい位置に居る。もしもここでLGD.intが勝ってしまうと、dota allstarsの歴史上初めて中国が外国に負ける瞬間が訪れる、とまで書いても決して大げさではない。
LGD.intは何をしているのか。
LGD.intの戦略は、一見すると「pushドクトリン」に見える。
20分までに塔を5本割り、22分頃までに攻城戦を仕掛ける。
けれども、彼等がやっている事はpushドクトリンではない。
それは、パジャの挙動を見ればよく分かる。
LGD.intは、10~15分以降、全てのクリープをパジャに食べさせている。
なおかつ、全ての塔を、パジャに食べさせる事を目指して動いている。
その動きは一見するとプッシュ戦術に見えてしまう為に、幾つものチームが「アンチプッシュ戦術」を試みては何も出来ずに敗れ去った。「遅延防御で時間を消費される事」とか、「籠城され続ける事」といったプッシュドクトリンの弱点は、LGD.intには存在しない。事実、ここまでLGD.intはアンチプッシュpick、アンチプッシュ戦術に対して、1ゲームたりとも落としていない。それどころか、互角の展開にすら持ち込まれていない。アンチプッシュに対しては、完璧に勝ちきっている。
遅延防御で時間を消費された。
大丈夫、パジャが太る。
籠城され続けた。
大丈夫、パジャが太る。
フルタイムのプロになる以前から、明らかにスウェーデン最高のプレイヤーだったパジャキャットという化け物を最大限に活用する。それがLGD.intの狙いなのである。
パジャのあまりにもシステマティックなファーミング挙動と、パジャ以外の4人のスモークを利用した動き、パジャとバッティングせず、それでいてパジャを保護する立ち回りは、後期zsmj戦略と全く同じもの。現在のLGD.intの作戦は、後期zsmj戦略のモダンなコピーである。
「zsmjって負けに負けまくって引退したのに、そのコピーで何で勝てるの?」
という問いに答えなければならない。
中国のdota allstarsでは過去に、第一次大再編という出来事があった。
資金力のある組織や、スポンサー獲得に長けた組織が金に物を言わせて超一流の名前を持った伝説的なプレイヤーを買い漁り、ドリームチームを作ってシーン制圧を目論んだ事件である。それも1チームではなく、同時期に2つも、3つものチームが生まれた。当然引き抜きもあった。
けれども、彼等後続のチームは、悉く散った。
zsmj時代から820時代を経て、zsmj-820時代に至る、820のEHomeとzsmjのLGDの黄金期であり、後出しのチームはどこも皆、満足した成績を修められぬまま、「中国4強下位」として鳴かず飛ばずを繰り返し、あっという間にスポンサーや運営母体の加護を失って、解散していった。
この出来事が布石となって生じたのが、第二次大再編である。
第一次大再編で明らかになったのは、「名のあるプレイヤーを集めても勝てない」という事実。それならばと、「名のあるチームからプレイヤーを引き抜けばいい」という発想に至り、それを実行したのが第二次大再編である。その主役はiG。
iGの狙いは酷いものだった。
iG.yとiG.zという2チームを作り、自前の2チームで練習をすれば最強を通り越して無敵になるだろうし、決勝戦は必ず自前のチーム同士の対決となるので、スポンサーもつきまくってウッハウハ。万が一どちらかが倒れても保険としてもう1チームあるので必ず優勝出来る、といういかにも成金な計画だった。
ところが、iG.yとiG.zは共に思ったような成績を残せず、焦ったiGは慌てて5人を解雇し、iG.yとiG.zの2チームから選抜した5人でチームを作った。それが現在のiGである。
さて、問題はiG.yというチームである。
yyf : LGDより引き抜き。
ChuaN : LGDより引き抜き。
ch~ : LGDより引き抜き。
830 : LGDより引き抜き。
benz : 元LGD。
ご覧の通りである。
LGDから4名ものプレイヤーを直接引き抜いている。残るbenzもちょっと前までLGD。iG.yというチームは、そのまんまLGDだったのだ。引き抜かれなかったLGDの最後の1人は当然zsmj。
言うまでもなくzsmjは引き抜かれなかったのではなく、LGDに残ったのである。LGDはかなりの大金を投じて新たに4名を補充したものの、それ以降LGDは全く勝てなくなり、zsmjはモチベーションクライシスを起こして引退してしまう。
zsmjに関してはとくに好きなプレイヤーだとか、お気に入りのプレイヤーだとかいった感情は一切無かったのだけれど、流石に4人引き抜きからのzsmj引退という流れは、iGを嫌いになるに十分な理由だった。
そんなわけで、現在のLGD.intというチームは、存在しなかったzsmjの架空の未来、ifの世界、という感じがして非常に楽しいし、とてもせつない。しかもそこでzsmjが担当する役割を演じているのは誰あろうパジャ。
現在のzsmjはLGDとは関係無い所に居る(ViCiのチーム2)ので、純粋に復讐戦というわけではないのだけれど、LGDとiGというチームの間には、遺恨以上の遺恨が存在しているのである。
話を変える。
LGD.intはここまで1試合だけ負けている。
相手は1勝2敗でグループリーグ敗退した中国三強の一角DK。
DKとLGD.intのゲームは、熊で熊で熊だった。
dota allstarsというゲームは最終的に、「zhouが熊に乗れば勝つゲーム」というバランスになってしまった。「じゃあどうすればいいの?」となって、全てのチームが熊プレイヤーを擁するようになった。その象徴的存在がDKのバーニング。熊が強すぎるという事が判明してから熊を大々的に乗り始め、最終的には「バーニングが熊に乗れば勝つゲーム」という逆王手にまで辿り着いた。
そのバーニング率いる対DK戦の1本目。LGD.intは初戦でパジャを熊に乗せて序盤の劣勢を跳ね返して逆転して勝ってしまう。ここでバーニングの知略が炸裂。2ゲーム目で、pickしたくてしたくてしょうがない熊を「散々迷いに迷った挙げ句、選択に困って熊をpickした」という演技の上で3順目で熊をpickする。そして勝つ。
これに騙されたのがLGD.intの皆様。「迷いに迷って迷った挙げ句、選択に困って熊をpickした」と思い込まされていたので、熊はノーマーク。世界最強DPSプレイヤーのバーニングという幻影に怯え、バーニングのシンボルとも言うべきantimageにBAN枠を使ってしまう。そしてDKのpickerであるバーニングは、1順目に速攻で熊をpickして勝負は開始0秒で終了。
このDK対LGD.intを見てしまった以上、LGD.intがbo5でiGに勝つ確率は0であると言わざるをえない。
iG側は、LGD.int側のやりたい事を封じる為に、chenやsdをBANし、BAN必須のヒーローを意図的に残してくる。LGD.intとしては、いくらzhouが熊に乗れば厳しいとわかっていても、BAN必須ヒーローが大量に残る中で熊をBANするというのはあまりにも無謀である。かと言って、パジャの熊はzhouの熊ほどの説得力を持たないし、「後期zsmj戦略」はMRでこそ活きる戦略であり、熊は可能ではあるけれど、ぴったりと合致するヒーローではない。熊が存在するゲームであるという理由だけで、LGD.intは既に詰んでしまっている。
iGの熊はyyfのnaixとか、430のtaとか、「もう1人居る」という状況下での熊なので、LGD.intが消去法的に使用するパジャの熊とは方向性が違う。パジャの熊がacを持ってやっと始る遅い熊なのに対して、zhouやバーニング、sylの熊は遙かに早い時間のストロングポイントとして熊を利用してくる。
さらにiGはyyfのnaixとvisage、加えてWR。430のta、ns、beam、panda。ChuaNのrubick、WR、dryad、sand。LGD.int側にとって致命的すぎるストロングポイントで溢れかえっている。faithのsdやvenomすらLGDのpick潰しという意味で非常にしんどい。そしてzhouの熊、mr、am。
LGD.intにはChuaNレベルのrubickはおろか、まともなrubickプレイヤーすらおらず、相手にルービックをpickされてしまい大きな不利を背負ったり、負けたりしてしまったりしている。voidプレイヤーも、naixプレイヤーも、visageプレイヤーも、bhプレイヤーも居ない。エニグマもフリオンも居ない。
LGD.intの実体はパジャ以外に選択肢の無いチーム。もちろん、G、miz、1437の連携は非常に美しく、パジャに特化する事には成功している。solo mid担当であるGの仕上がりも奇跡的。けれども熊という選択肢を所持するiGというチームのzhouは、あまりにも相性の悪い相手。パジャがあと3人、せめてあと2人居れば違うんだけれど。
そんなわけで、今日、歴史は動かない。
歴史が動かない瞬間を見届けよ!とか思っていたのである。けれども、だ。
どいつもこいつもiG、iG。ふざけんな。
勝ち馬に乗りたいだけのくそ保身主義者どもめ。
おまえら、LGD.intが勝ったらどうせ「感動しました!素晴しいですね!中国に行くという勇気ある選択が実を結んだことを嬉しく思います!」とか素敵なこと言って、iGが勝ったら「私の予想通りでしたね。言った通りの結果になりました。」とかしたり顔で言うつもりだろ。くそっくらえだ。あまりにも腹が立ったので断言するけど、今夜歴史が動きます。LGD.intが正義の鉄槌をくだしてiGをぶちのめして優勝します。根拠は一切ありません。正義は勝つからです。今夜歴史が変わります。絶対です。
http://www.twitch.tv/beyondthesummit
日本時間午後7時から。