初夏のdota2十題。

1,The International 2013の招待を取り消されたLGD。

世界一強状態のiGに最も勝っているチームがLGDだ。ここ1年の実績では、中国で2番目のチームである。ti2012でも3位に入賞している。そのLGDがti2013の招待を取り消された。

「LGDのメンバーに変更があった為」というのが招待取り消しの理由だ。これがまた酷い。LGDは病欠のddに代えて、かつて中国最高のsolo midプレイヤーだったlongDDを加入させていた。そのlongDDに替えて、ddを再び度使う事にした。つまり、LGDはメンバーを変更していない。元のメンバーに戻しただけである。




遡る事2年前、LGDはプレイヤー4人をiGに引き抜かれ、zsmjだけが残るという状況に陥る。zsmjはチームに残り、マネジメントにも関わり、xiao8、yao、ddc、ddという4人を加入させてプレイを継続するもほぼ全敗という勢いで負け続け、zsmjはモチベーションクライシスに陥り引退する。zsmjの代わりに、プレイヤー性能ではzsmjに遙かに劣るsylが加入。普通ならばさらなる弱体化を迎えるはずだったが、syl加入直後にiGに勝利するなどして、一時は中国最強の地位に就いた。

そして、LGDはそれから2年間、全く同じ面子で戦い続けてきた。iGに勝ってタイトルを獲得し、ti2012で3位入賞、さらにiGに勝ってタイトルを獲得した。ddというプレイヤーは、常にそこに居たのだ。ddは、ジョルディクライフでもないし、フェルナンドサンスでもなく、パクチソンでもカズでもない。彼は、LGDが他に並ぶものの無い実績を築き上げた際にプレイし続けたプレイヤー。ネット対戦だけではなく、会場での対戦においても勝ち星を積み上げ続けてきた。ddはカシーリャスであり、ダニアウベスだった。

そのddに替えてlongDDを加入させたのは、ddが手術で療養が必要だっため。しかも、ddは脱退したわけではなく、LGDにスタッフとして残っていた。術後順調に回復したので、復帰させた。すると、それを理由にvalveが招待を取り消した。なお、LGDがtiの招待を取り消されるのは2度目。前回はiGに4名を引き抜かれ、zsmj、xiao8、yao、ddc、ddという面子で取り消されzsmjは引退。

適切な言葉が見つからない。



2,帝国の滅亡。

ti2012で無惨に散ったdearからfun1を含む3名を加入させた瞬間から欧州最強チームに成り上がったempireだが、fun1引き抜きをきっかけに低迷、さらには内紛を起こして完全崩壊。資金力に優れ、ti2013の招待が確定しているNaViは、世界中から好きなプレイヤーを引き抜ける状態にあった。

2012年度の中国最高Eスポーツプレイヤーに選ばれたyyfですら、本人の意思さえ動かせられれば、移籍金と給料含めて200万人民元(約3000万円)で引き抜けるそうだ。セレッソからドイツに行った際の香川より安い。



3,ddosアタックがdota2をぶち壊す。

G-1の欧州予選はddosアタックの被害を受けて全て白紙に。他の大会でもddosアタックが頻発し、試合にならない。steamからIPを調べてddosアタックをかけられるそうで、事実上対策は無い。

ddosを行う側のメリットは、ギャンブル。試合の勝敗に応じてゲーム内アイテムを賭けてギャンブルを行えるサイトがあり、ゲーム内のアイテムは高額で売買されている。ようするに、現金をかけているのと同じ。ddosがぶち壊すという表現よりも、賭け事がぶち壊すという表現の方が正しい。



4,キャリアハイに挑んだloda。

lodaのキャリアハイがいつだったのかは、よくわからない。プレイヤーとして抜けていたのは2006年、最も印象的だったのは2008年、最も強かったのはパジャキャット、AngeL、miGGel、ミラケルらと組んでkurokyに完勝した2010年。常に欧州三傑には位置し続けたけれど、決して絶対的な地位には居なかった。

そんなlodaに、キャリアハイのチャンスが訪れた。lodaを擁するnth改めアライエンス[A]は、empireの崩壊と、naviの低迷が重なって欧米シーンを席巻。各国のランキングサイトでは欧米一位はアライエンス。

そして、LANの高額賞金大会、オンラインの高額賞金大会、中国大会の予選、オンラインの高額賞金大会と、4つの大会で決勝が迫っていた。万が一ここを全て獲れば、lodaのキャリアハイは今という事になってしまう。

その貴重な4連戦の一つめ、ポーランドで開催されたLAN大会で、アライエンスはmouzに敗れるという希代の番狂わせで敗退。この大会のオンラインフェイズでは、アライエンスはnaviを完膚無きまでに叩きのめして勝利しており、その際にdendiが言った「決戦の地はポーランドです」という負け台詞の伏線は、回収されぬまま終了。

これにて、「lodaのキャリアハイはいつだったのかよくわからない」という状態が継続される事になった。なお、直後のオンライン大会と、中国大会の予選ではアライエンスが綺麗に優勝。2013年の上半期は、lodaのキャリアハイ候補の1つに数えられるだろう。



4,躍動するEE。(aka:EternaLEnVy)

lodaのチームアライエンスからkickされたEEが、新チームkaipiで躍動。サポートからcarryに転向し、キルデス10をキープして完璧な仕事を続け、弱小無名チームにすぎなかったkaipiを二番手集団最後尾まであと一歩の所まで引き上げる。ところがti2013の欧米予選には招待されず、参加方法が"招待"というvalveの大会運営は腐りきっている。


EEは、プレイヤーとしては優秀だけれど、picker向きの人材ではなかった。pickerには研究力や反省力を含めたpick技術だけではなく、「この人ならpick負けしても仕方がない」という威圧感か、「この人ならpick負けしても許すしかない」という人間性が必要。EEはpickerに必要な能力を全て欠いていたと思う。




5,picker不在のvici。

430にsolo midで完勝出来るcty。yyfとyaoに次ぐオフレーンプレイヤー、傑物xtt。そしてあのzsmj。後衛にも素晴しい人材。面子だけ見れば中国3強に迫れそうなチームなのに、アジアの中堅にも勝ちきれないvici。

理由は、pickerの不在。「チームで一番上手い人」というだけの理由でctyがpickerを務めているものの、pick負けでルーザーズに落ち、グランドファイナルまで勝ち進むもpick負けでMUFCに敗れて初戴冠の好機を逸す。

こうも見事なpick負けを連続で見てしまうと、iGのpickerが如何に代え難い貴重な戦力であるかがよくわかる。ctyさんはチートシートをきっちり書いて、頑張ってpickerとして成長してください。本当は、pickerを変更するのが一番だと思うけれど、zsmj以外は若い人ばかりで適任が居ない。



6,mealk引退。

競技歴9年のmealkが引退。引退後はEGのスタッフへ。
デンマーク人であり、MYMを象徴するプレイヤーだった。
よくある一時的にやる気を無くしただけの名ばかり引退ではなく、やれる事は全てやった、戦い終えたやりきったという引退なので、真の引退だと思う。



7,見合わない中国長期滞在。

中国で長期にわたって開催される大会に、西側チームが招待されるも全員拒否して、結果招かれたのはマレーシアのorange。欧米シーンはオンラインの大会が多く、賞金もそれなりに高く、おまけにレベルが低くて勝ちやすい。欧米の強豪チームが中国に長期滞在するメリットは無い。



8,間に合わなかったTR。

pggにazenという現在も競争力を維持している伝説的なプレイヤーを獲得した新生TRだけれど、思うように勝てず、現状ではただの弱小チーム。ti2013の予選にも招待されず仕舞い。a-godをもう一度強いチームで見たいのだけれど現在のメンバーでは厳しい。強くなりそうな雰囲気が無い。



9,中国サーバー稼働。

dota2の中国サーバーが稼働。中国人proがアジアサーバーから居なくなるのではと懸念されていたけれど、今の所はまだアジアサーバーでプレイしているみたい。yyf、yao、zsmjなどはアジア魔境の華なので、出来る事なら残って欲しい。



10,中国に行き損ねたnavi。

G-1の欧州予選でnaviはアライエンスに敗北。さらにルーザーズでも負けてしまい、中国行きの切符を逃した。kurokyとfun1を加えたファイナルフォームnaviがきっちり仕上がれば、敵地で中国三強を相手にしても可能性があっただけに、ちょっと残念。