太股を見て楽しいですか。

夏の夜は肩の血を凍らせて私肉をかたびらに変える。言葉はいくらでも出てくるがそこに考えはない。長く続いた動揺はそれ自体がありのままになり、挙動不審の男を作る。とにかく休息が必要で、何より安息が必要だ。何れもこの人生においてはもはや叶わない。あどけない夏に食べたかき氷とそれが生んだ頭痛を思い出す。あの日に帰って誰かを救えるのならば、あの日に帰らずとも誰かを救えるだろう。砕くべき氷も、砕かれた氷も全て溶けてどこかへ消えて、頭痛だけが残った。今晩も眠るに気乗りせず呆然と座り、なんの前触れもなく首を折って、太股を眺める。