幻のハッピーエンド。

ハーレーダビッドソンが海の向こうから流れて来たのを見て、「ああ、これを海の向こうに送り返せば喜ばれるだろう」と思った人が大勢居たのだろうし、それを聞いて「ああ、海の向こうから送り返されれば喜ぶだろう」と思った人も大勢居ただろう。人は自らが関わると途端に、なにかよいことが出来るのだという根拠の無い妄想に捕らわれる。それを、よくないケースを想定出来ない想像力の無能さに求めるのはおそらく間違いで、善行への憧憬という浅ましさにその原因を求めるのが正解だろう。人は、一切の努力をせずに自らの価値を高められるチャンスを血眼になって探している。その性質が、人という生き物に元来備わっているポジティブさと結びついてしまうと、どんな小さな出来事も、決して捨て置かれはしない。ハッピーエンドは流れてこない。