心のざらざら

まぶたの裏で心の何かがざらざらと摩擦を引き起こし、白目の上をゴロゴロなぞる。何人をも好きにはなれず、憎しみを抱くばかりに矯正されてしまった自らの精神と、誰も愛してはくれない寂しさが混じり合って、泣き叫びたくなる暑さを作るが暑さ故にかその気力は無い。心臓と腋との僅かな隙間で赤いビニールの風船が膨らみ、前頭葉は涙で染まる。誰かを幸せにしたかった、誰かを喜ばせたかったと法華経教徒のように呟くけれど、自らの幸せを願えない人間が誰かの幸せを願うなど不可能。俺の言う架空の誰かが自分自身である可能性に嘔吐して、断末魔の叫びは憎しみと熱さで炎と共に消えて行く。