もうインターネットしない

「もう、勇者しない」と言った彼は、今頃一体なにをしているのだろう。たとえば何かをやめたところで、何かになれるわけではない。「もう、覚醒剤はしない」と言いはった誰かが覚醒剤をまた使うところを僕らは何度も繰り返し見た。人が覚醒剤を再び使うのは、覚醒剤の禁断症状によってではなく、孤独から逃れる為だと聞く。孤独から逃れるノウハウを多くの人は持たず、たとえばその手に入れた孤独から逃れる為のノウハウが世の中一般で見過ごされる類いのアルコールやギャンブル、あるいは仕事や家族、もしくは恋愛などといったことであればいいが、そういった孤独から逃れる為のノウハウは簡単には手に入らず、ただ白い粉を吸えばいいだけのノウハウと比べれば遙かに困難な道のりであろう。僕等が確証を持って伝えうる唯一のことは、「もう、インターネットしない」と言った彼が今もインターネットをし続けているという事実だけである。