1,テトリス。
テトリスの売り上げ集計には、いくつかの方法があるので、売り上げ本数には、幾つかのパターンがある。主立った数字は、1億3000万本以上(権利者がセレモニーで述べた数)、1億本以上(1億3000万という大本営発表に疑問を呈しつつ)、5000万本以上(任天堂のテトリス)、4000万本未満(ゲームボーイのテトリス)。
ここで注目して頂きたいのは、「任天堂のテトリス」だけで5000万本以上と、極めて僅かな例外すらも吹き飛ばしてしまえるほどの売り上げを出していること。どのような集計方法をとったところで、歴代売り上げランキングのTOP10には入ってきてしまう。プラットフォームでバージョンが違うとか言っても基本ルールが同じ以上は手の付けようがないので、必然的に歴代売り上げ第1位に置かれるビデオゲーム。
もしも、テトリスがランキングに入っていない歴代ビデオゲーム売り上げランキングが存在しているならば、それは完全なでたらめ。
2,マインクラフト
最もめんどくさいソフト。
まず、2016年3月時点のマインクラフトは7000万本という数字があり、さらに今現在も猛烈な勢いで売れまくっているので、マインクラフトの売上本数を見るだけで、どこらのデータをパクってきたかがわかる。
次に、マインクラフトが巨大な売り上げを持つビデオゲームである事は間違い無いものの、PC版の完全版で核を造り、家庭用機で裾野を広げ、もしもしゲームで手広く回収、というパターンで7000万本売っているということ。
マインクラフトのもしもしゲーム版は、本来のマインクラフトの完全下位バージョンであり、基本ルールは同じものの、fifa15とfifa16以上に違うゲーム。価格も下は500円から上は4000円までと完全な別ゲー。なので、マインクラフトを特別枠に配置せず、ランキングに含めてしまうと色々めんどくさいことになる。TIME誌やLIFE誌、あるいはMTVなんかが出す大衆向けの、うェ~ぃランキングならばそれでいいだろうけれど、ビデオゲームのランキングには入れるべきではない。モバイル版マインクラフトとPC版マインクラフトの差は、スーパーマリオブラザーズとスーパーマリオブラザーズ3の差よりも大きい。別枠に特別に記載するべきソフト。価格も内容も違う、別の年に発売されたゲーム集団を別個に集計すると、TOP 10入りはしない。その意味でも別枠記載が必須。
3,Diablo3
3000万本。
現在進行形で売れており、3100という数字もある。この数字に勝てるタイトルはそう多くない。blizzardの最大の失敗作にして、blizzard最大の成功作。そして、dia3が3000万本売れたという事実のもう1つ重要なところは、「dia3はパックマンに並んだ」という話しがあったこと。
4,パックマン
マイクラ以上にやっかいなソフト。
「どのくらい売れたのかテトリス並に集計が難しい」上に、その数字がテトリスほど狂っていないという点で、どの順位に置くのが適切なのかわからないソフト。テトリスはとりあえず1億本とか書いて1位に置いておけばおさまるが、こちらはそうはいかない。
マルチプラットフォームというレベルではなく、完全にわけがわからない。アーケードに始まり、MSXに、PC60からPC98に、X1(なにそれ)に、FM-7に、VCSに、MZ25にと、本当に現代の私達には暗号のようなプラットフォームで最大のヒットを記録したビデオゲームの1つとして名を残している上に、ファミコンからディスクシステム、ゲームギアにゲームボーイアドバンス、おまけにmacでも売っているなど、どのような集計方法をとっても、データが乱れてしまうのは確定的に明らか。砂漠に穴を掘って埋められたアタリショックのETで有名なatari 2600で最も売れたゲームというポジションも持っている。
atariがナムコにお詫びついでに頭を下げて獲得し、本体同梱の販売戦略をとったことでも、一部では稀に極めて有名。とにかくもの凄く売れた事だけは確かだが、集計不能。ゲームに誠実な人達も集計を諦めて、「じゃあ3000万本でいいや」とさじを投げるレベル。
パックマンもプラットフォームによってバージョンも価格も違うので、ポケモンを赤と緑に分ける誠実さがランキング制作者に存在するならば、ランキング外に置く事が可能。付け加えるならば、同梱戦略もとっているので、wii playやwiiスポーツもまた、25年の歳月を経て、パックマンの売り上げ本数集計と密接に絡んでいる。
5,GTA V
5400万本。
「売ってる人達が5400と言ってるんだから5400なの!」
という立場を選択するかどうか。なお、他のソフトも出荷本数と売り上げで本数が違うので、そこに踏み込んでしまうと確実に死ぬ。誠実にランキングを作りたいけれど、死にたくはないという人達は、5400という数字を選択する。死にたくないので5400を選択せざるを得ないビデオゲーム。幸いにして現在進行形で売れ続けており、5500は超えているものと思われるが、結局のところ「売ってる人達が6000と言ってるんだから6000なの!」といった問題からは永遠に逃れられないのがビデオゲームの"本数"ランキング。その本数って何なの?という問題は逃げても逃げても追いかけてくる月のようなもの。「砂漠に穴を掘って埋めた分も"本数"なの?」
6,マインスイーパ。
本体同梱。
最強のソフトウェア集団。本体同梱を含めてしまうと、ビデオゲーム歴代売り上げ上位は彼ら、windows同梱のソフトウェア集団。その中でも偉大なビデオゲームとして歴史にその名を刻む、マインスイーパ。このwindows同梱集団の扱いをどのように行うかが、ビデオゲームの歴代売り上げランキングにとっては最大の関門。
なにせ、パックマン、ダックハント、wii play(はじめてのwii)、wiiスポーツといった、普通にランキングに書かれる事が多いビデオゲームが同梱戦略をとっているため、もしもマインスイーパをランキングから除外したいのならば、wiiスポーツはランキング外に落とす必要がある。
windows同梱の偉大なビデオゲームであるマインスイーパが、この世界の歴史に存在している以上は、どのような集計方法を選択したところで、国外売り上げ全部同梱というwiiスポーツをランキング上位に定義する事は不可能。
よって、TIME誌、LIFE誌、MTVといった系等ではない方の、ビデオゲーム系のランキングにおいては、同梱で本数を嵩上げしているパックマン、ダックハント、wiiスポーツはなど、ランキングから除外した上での別枠記載が必須となる。
歴代ビデオゲーム売り上げランキングとかいう、アフィブログの金儲け目当てのデマに騙されない為の基礎知識。そして、ビデオゲームの売上本数は集計方法によって自由にその数字を変える事が可能であり、完全な努力の結晶、労力の賜である。そして、自分でランキングを作るにしても、集計方法で大きなブレがある以上は、真面目に書かれたランキングであるならば、情報源がソースとして貼られるのは必然である。ビデオゲームの売り上げは現在進行形で伸び続ける為、同日のデータでランキングを作るのは不可能。よって、どこかに避けようのない作為が生まれてしまう。
それに対して誠実さを担保する方法は唯一情報現を明示することなので、歴代ビデオゲーム売り上げランキングというデマを見分ける最も簡単な方法は、ソースに対してリンクを張っているかどうかである。
とりあえずは、テトリス、マイクラ、同梱の3点だけは覚えておこう。