2019年2月1日金曜日

インターネットは光。闇を照らす光。

僕の部屋は長く、電気が付かない。電気は付いているが、灯りが付かない。灯りが付かないことを、電気が付かないと言うのは不思議なことだけれど、不思議なことではない。その昔、私達の世界がまだ暗闇に包まれていた頃、町に電気が来るということは、町に灯りがともるということだった。あの頃はまだみんな、電気に灯り以外の使い道があるなんて知らなかったのだろう。けれども僕等は知ってしまった。電気には他の使い道があり、今では僕等はいろんなことに、電気を使って生活している。たとえば、脳だ。脳は電気の塊である。電気によって僕は笑い、電気によって僕は泣く。電気が指を動かして、電気が寒さを感じ取る。

午前四時に起きて、読もうとした本が暗くて読めず、指先に強く明るくなあれと念じて見たが、僕の電気はあまりに無力で、少しも明るくなる気配無し。僕は電気の塊で、僕は電気の怪物ながら、僕の電気は何一つ、誰かの役にはなりやしない。パソコンの電源を入れて、2枚のモニタに真っ白な、グーグルクロームのスタート画面を表示して、その灯りにて文字を読む。インターネットの光は今日も、真っ暗闇な僕の部屋に、僅かな白い灯りを灯す。インターネットは光。闇を照らす光。