2005年2月16日水曜日

アマゾンアソシエイトにNOと言え。



世界には2種類のゲームレビューがある。
良いゲームレビューと、悪いゲームレビューだ。
ウェブ上では今日も後者が猛烈に増え続けている。
実に腹立たしい。

良いゲームレビューの条件というものを書き連ねるのは不可能に近い。しかし、はっきりしている事は、悪いゲームレビューでは無いものが、良いゲームレビューであるという点である。

それに対して、悪いゲームレビューの条件というのははっきりしている。
ゲーム内容以外のものが文章に影響を与えているレビューである。
これは、悪い。



悪いレビューの中で最も有名だったのは、大口スポンサーである特定企業のゲームと身内のゲームを絶賛し、金で点を買えると囁かれていたファミコン通信のクロスレビューである。
当時一般のユーザーが目にする事が出来たのは、すべて悪いゲームレビュー、即ち紐付きレビューであった。それら紐付きレビューを読んで、オープニングとBGMだけは良く出来た糞ゲーを掴んでは泣き寝入り、というのが当時は一般的であった。
事情が変わったのは、インターネットが登場してからである。
紐付きではないインプレッション、紐付きではないレビュー、紐付きではない感想、というものがいくらでも手に入るようになった。


ところが、近頃悪いレビューが凄まじい勢いで増殖している。
ブログと、Amazon.co.jpによって。


彼らは公平で善良でセンスに溢れたフレンドリーなブロガーであるを装っておいて、突如として紐付きレビューを書き始める。ある日突然にアマゾンへの直リンクが現れ、画像が現れ、検索ボックスが現れる。
ゲーマーならば必ず1度は嘲笑した事があるであろう紐付きレビューというものを、そのゲーマーが大量に生産しているというのは恥ずべき事ではないのか。恥ずべき事であるかどうかは本人次第であろうが、苛立たしい事態である事は確かだ。



最初はブロガー自身が思いいれのあるマイナーなゲーム、黒の剣だとか北へ。だとか、リンダキューブアゲインだとか、キングスフィールドだとか、はじめの一歩だとか、夢を見る島といった類のものへのリンクがレビューと共に張られる。
次に、ブロガー自身が最後にブレイしていたタイトルが張られる。

ここまでわかりやすい。
次の一手は、それらよりも更にわかりやすい。

ドラゴンクエスト最新作が発売日が決定しました!!
筆者はもう予約しました!!

エースコンバットの最新作が明後日発売されます。
筆者は絶対に買います!!

ファイナルファンタジーが今日発売されました。
筆者は明日にでも買おうと思っています!!

ウイニングイレブン最新作が発売中です。
筆者今やってるゲームをクリアしたら買います!!

バイオハザードの最新作が話題になっています。
物凄いグラフィックです!!
筆者はゲームキューブを持っていないのでとりあえず見送ります。

PSPが発売されてます。
いやあ、面白そうですね!!

DSが。
欲しいです!!


手に入れたら手に入れたで、正真正銘の紐付きレビューがやってくる。
大抵は絶賛、絶賛、大絶賛なのだが、時には手を変えやってくる。
「敷居の高さはあるものの、シリーズのファンなら絶対買い」
「内容は上記の通りなのですが、BGMが素晴らしいので」
「不満点ばかりあげましたが実は超満足しています」
「このジャンルの入門用としては最高の内容」

悪いレビュー、悪いレビュー、悪いレビュー。
糞レビュー、糞レビュー、糞レビュー。

彼らの言い分はこうだ。
「ゲーム代が欲しいので」
働け。働いて稼いで買え。
「サーバー代が欲しいので」
働け。サーバー代くらい働いて稼げ。
「更新のモチベーションを保つ為」
更新するな。悪いレビューをウェブ上に増やすな。


アマゾンアソシエイトでサーバー代を稼ぎたいなら稼げばいい。
ゲーム代やらサーバー代やらモチベーションを稼ぎたいのであれば、公平で良心的なゲーマーを装いながら悪いレビューをウェブ上で公開するという手法を用いて行わず、「お小遣いゲット大作戦」だとか、「アフィリエイトで月400億円」だとかやって、やりたい放題やればいい。
その一方で良いレビューを書けばいいではないか。

ブロガーは無数にいても、ゲームに対する立派な文章を書ける人間とは少ない。その貴重な人間が次々に悪いレビュー書きへと転身していくのを見るのは非常に心苦しい。
もしも、現在ゲームレビューを書いている方、あるいはこれからゲームレビューを書かんとしている方がこの文章を読んでいるならば、悪いレビューを書く側に立つのか、良いレビューを書く側に立つのかを考え直していただければこれ幸いである。良いレビューが読めるようになるツールであるインターネットと、ブログというものの価値を。

現在でも紙媒体やインターネット上に大量に存在する4gamer光栄やファミ通スクウェアに代表される紐付きレビューというものを1度でも笑ったことがある人間であれば、紐付きで無いレビュー、悪いゲームレビューでないゲームレビューを書くって事が、悪くないものだって事はわかってもらえるのではなかろうかと、悪いゲームレビューブロガーによる悪いゲームレビューブロガーへのエントリー。
インターネット革命をもう一度。



















いや、アマゾンアソシエイトに参加しているブログであっても、張ったアフィリエイトがTHE地球防衛軍とルナティックドーンとウィザードリークラシックスだけであり、ドラゴンクエストもバイオハザードもPSPも張ってない、というものならば紐付きと言うよりもリンクを張っただけかな、などと思わなくも無いのですが、それならいっそ、純粋な良いレビューの側へ立った方が。

というか、そもそも予約していても発売日に届かないAmazon.co.jpへのリンクを「アマゾンで予約受付中です」などと張っている時点でその神経を疑うのだが。